音楽の道→ルッコラが人気の農家に!女性一人農業の、栽培や販路の試行錯誤

記事の内容

音楽の道→祖父母の農業を継ぐ

微生物を意識した栽培の改良

ストーリーや栽培方法を過度にPRしない直販

愛知県豊川市のみなか農園の平松真美(ひらまつ まみ)さんに、任期のルッコラ栽培や、栽培方法を過度にPRしない理由などを伺いました!

目次

経緯:音楽の道→地元に戻って農家に

管理人

平松さんはどのような子どもでしたか?

平松さん

音楽が好きで6歳からピアノを習い、9歳から学校の部活でトロンボーンを始めました。
音大進学のために、高2からトロンボーンのレッスンのために名古屋に通っていました。
祖父母が小さく農業をしていて、子供の頃は良くお手伝いをしていましたが、
成長するにつれ農業への興味が薄れ、音大生の頃には農業への興味を失っていました(笑)。

管理人

個人レッスンまで!
真剣に音楽に打ち込んでいたのですね。

平松さん

個人レッスンは、音大進学を目指すなら普通なんですよ。
そうして音楽大学に進学したのですが、思うような成果が上がらなくて…。
心身のバランスを崩してしまい、結局音大は中退することになってしまいました。

管理人

音楽の世界も、相当に厳しいのですね。
その後はどんな仕事をされていたのですか?

平松さん

神奈川で一人暮らしをしながら県内のスーパーでアルバイトし、その後東京都心の大手IT企業の派遣で働いていました。
だけど、満員電車はきついし空気は汚いし…(笑)。
座りっぱなしの事務仕事も、私には合いませんでした。
「何か体を動かすことをしたい。」と思った時に、
ふと祖父母のしている農業が頭に浮かんだんです。

それで平成21年(2009年)に地元に戻り、祖父母の農業を手伝うことから始めました。

管理人

そういう経緯だったのですね。
農家になると決めた時の周囲の反応はどうでしたか?

平松さん

祖父母は喜んでくれましたが、他の家族からは難色を示されました。
「いきなり何を言い出すんだ?」という感じで。
どうせすぐ農業を辞めるだろうと、思われていたんでしょう。

管理人

そうだったのですね。

平松さん

就農を決めてからは、右も左も分からず祖父母の農業を手伝っていました。
しかし次第に、祖父母の慣行栽培の経営レベルでは生活して行けないことに気付きました。
だから祖父母とは経営を分けて、外に栽培や経営の勉強をしに行き、試行錯誤を続けました。

今でもトロンボーンは演奏している

経緯:栽培に苦戦する中で、行き着いた微生物農法

管理人

経営を分けたということですが、平松さんはどのような農業を目指したのですか?

平松さん

私は、なんとなく有機栽培を始めました。
畑の土の状態を少しでも良くしたくて、有機質肥料を入れれば土が良くなるのではと考えたんです。

だから有機栽培グループに入り、その縁で有機栽培を長年実践されてる師匠さんの所に勉強に行きました。

平松さん

その頃はまだ農業収入が少なかったので、夜に短期のバイトしてたこともありましたよ。
しかし土壌改良に苦戦して、中々納得のいく野菜作りが出来ずにいました。
種苗会社に肥料設計してもらった通りに施肥していましたが、それでも上手くいかなかったんです。

管理人

有機栽培ですか。
栽培技術の習得は大変、というイメージがありますね。

平松さん

そんな中で師匠さんから、島本微生物農法の存在を教えて頂きました。
島本微生物農法の講習会に行き、色々な講義を受けたら、それまでの疑問が一気に解決したんです。
そこから島本微生物農法を実践し、ようやく栽培が上手くいくようになりました。
就農してから8年も経った頃でした(笑)。

管理人

土作りの要素の中でも、生物性が改善して上手くいくようになったのですね。

平松さん

そうだと思います。
今でも島本の皆さんには相談に乗ってもらいますし、アドバイスはそのまま実践しています。
ちなみに、有機栽培に準拠している栽培ですが、有機JAS認証は取っていません。
慣行栽培を危険視するつもりもありませんし、栽培方法を前面に出すつもりもないです。

みなか農園の人気作物ルッコラ

栽培:売れ行きや気候に合わせて、栽培品目を減らす

管理人

現在のみなか農園さんの栽培作物と労働力はどんな感じですか?

平松さん

ハウスと畑で42aほど、夏は空心菜、春秋冬はルッコラを栽培しています。
現在は祖父母は亡くなり、私1人で農地を引き継ぐ形で農業をしています。

管理人

栽培も出荷も、女性の一人農業ですか!
当初からルッコラと空心菜の作型だったのですか?

平松さん

いえ、就農10年目くらいまでは葉物野菜を中心に、20種類以上の野菜を栽培していました。
その中で効率良く安定収穫出来て、お客さんからダントツ人気だったのがルッコラだったんです。
ルッコラも空芯菜も、
・狭い面積で何回も収穫できる
・昨今の異常気象に負けないタフさ
・収穫の持ち運びも軽い
ので結果的に栽培品目として残りました。

管理人

なるほど、ルッコラや空心菜は地際から再生してくるから、何度も収穫できるんですね。
しかし葉物の露地栽培は、ヨトウなどの害虫被害がたくさん出ませんか?

平松さん

まあたしかに多少の害虫はやって来ます。
でも良質な微生物資材を入れ続けると畑の環境が整ってくるようで、害虫被害が減りました。
どういう仕組みなのか私も良くわからないのですが(笑)、近年は何故か空芯菜の害虫のヨトウを食べに益虫の蜂が増えて。
ルッコラにアブラムシが出始めると益虫のヒラタアブやテントウムシがやって来ます。

それでもどうにもならない場合のみ、有機栽培でも使えるBT剤を使用しています。

管理人

益虫が害虫を食べにくる畑!
いい循環が生まれているのですね。
あとは、現在の栽培面の課題があれば教えてください。

平松さん

お客さんから一番人気のルッコラの栽培技術をもっと安定させて収量を上げたいです。
また、空芯菜の季節の夏は暑さが厳しくなっていますから、
環境の変化に対応すべく、今まで全面黒マルチだったのを地温を下げる白黒マルチに変えて行こうか検討しています。
それと、人間が倒れないように働き方も改善したいです(笑)

平松さんの畑には、様々な益虫が寄って来る。

販路:過度なPRをせず、全て直売で売る

管理人

みなか農園さんの現在の販路はどんな感じですか?

平松さん

わくわく広場への委託販売が6割、仲卸業者を通じた委託販売が3割、1割がJA直売所と地元の高級スーパーへの出荷です。

管理人

系統出荷をせず、全てを直販されているのですね!
なぜ現在の販路を選択されたのですか?

平松さん

当園は小規模なので、市場への大量出荷は出来ません。
今の生産量なら、価格を自分で決められる委託販売で何とかさばけるので、
委託販売の中でも効率良く流通させられる販路を選んでいます。

お客さんの中には、
「まみさんのルッコラを買ったら、家まで待てずに車の中で食べながら帰るのよ!」
と教えてくださるツワモノさんもいらっしゃいます(笑)。
SNSで頂くメッセージが大きな励みになっています。

管理人

何も付けずにそのまま食べちゃうほど、平松さんのルッコラには魅力があるんですね!

平松さん

だけど今では経営の中心になってるルッコラですが、最初は中々売れませんでした。
JAの直売所で少しずつ売ったり、マルシェで飲食店さんの声や一般のお客さんの声を聞いたりして励みを頂きながら、農業経営を勉強して行きました。

管理人

農業経営の勉強、どんな内容を学んだのですか?

平松さん

学ぶ中で分かったことは、
「自分自身のストーリーや栽培方法を前面に出すのではなく、良い野菜を作れば自然と差別化が生まれて売れて行く」
と言うことです。
当初は何種類もレシピを書いて、野菜が見えなくなるような大きさのラベルを貼ったりしてました。
だけど良いルッコラが作れるようになると、小さくてシンプルなラベルを1つ貼ればお客さんに覚えて頂き、リピートして頂けるようになりましたよ。

管理人

ああ、まずは栽培技術を第一に身に付けるということに回帰するんですね。
勉強になります。
あとは、販路についての課題はありますか?

平松さん

販路の割合が偏っているので、出来ればもう少し販路を探したいです。
あとは、情勢の変化による経費の高騰や異常気象などに上手く対応して行けたらと思います。

シンプルなラベルでも、ファンは多い。

目標やアドバイス:栽培や経営の勉強をしてから就農すべし

管理人

これからの目標はありますか?

平松さん

特に規模拡大はせず、これからも健康で、今のスタイルの農業を慎ましく続けて行きたいです!

管理人

一人農業を続けていくのですね。
平松さんに憧れる方も多いと思いますので、女性で就農を目指す方にアドバイスがあればお願いします。

平松さん

就農するのであれば、ちゃんと栽培や経営の勉強をしてからの方がいいです。
祖父母からは「百姓なんか誰でも出来るよ。」と言われましたが…、
実際は覚えることが膨大にあって、だいぶ苦労しました(笑)。
私の場合は、祖父母からの経済的援助があったので運良く続けて来られました。
ただ今は情勢も厳しいですし、就農前にしっかり学んで準備することが絶対に必要だと思います。

管理人

取材させていただき、ありがとうございました!

平松さんとルッコラ
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