24歳で農家として独立
堆肥や畝の工夫で、収量や品質がアップ
農園の名前で売れる野菜
滋賀県東近江市のしばた農園の柴田達也(しばた たつや)さんに、就農した経緯や栽培や販売のこだわりなどを伺いました!
就農経緯:学生時代から興味があった農業の道へ
管理人柴田さんは子どもの時、農業にどんなイメージでしたか?



祖父が兼業農家でしたが、祖父が農業をしていたからというよりも、
「農業は工夫次第で儲かる!」
というテレビ番組が印象に残っていて、将来は専業農家になりたいと思うようになりました。



そうだったのですね。
農業を始める前は、どんな仕事をされていたのですか?



大学卒業後は、滋賀県の自動車のディーラーに就職しました。
農業の資金を貯めるつもりで、数年後は会社で働く予定でしたが、農業への気持ちが抑えられなくて。
「農家でアルバイトをしながら勉強しよう。」
と思い立ち、早期に退職しました。



新卒で入社した会社を辞めることに、周囲の反応はどうでしたか?



当時から付き合っていた妻には、いずれは農業をすると伝えていましたし、
「農業がやりたいなら、私も一緒にやるから挑戦してみれば?」
と後押しをしてくれました。
妻の言葉に勇気をもらって、その日のうちに会社に退職願を出して、JAや農政課に相談に行きましたね(笑)。



気前のいい奥さまですね!
それでJAや農政課で相談して、どのように農業に入っていったのですか?



まずは農業大学校に一年間通って、農業の知識を一から勉強することにしました。
同時に滋賀県内の農家さんの所でアルバイトをしながら、実際の農業を体感して、新規就農の計画を明確にしていきました。



米を作っていた田んぼは、転作されたということですか?



そうです。祖父の田んぼで始めたのですが、米からの転作は最初から考えていました。
永源寺地区の田んぼは狭くて、稲作では集約も難しそうだったので。
だから狭い農地で、ハウスを建てて栽培できる作物ということで、
「回転させる作物であれば、若いから気合で売上が上げられるはず!」
と考え、小松菜とほうれん草を選択しました。



ハウスの建設費は、自分の貯金に加えて、親族からもお金を借りて充てました。
一年間の農業大学校と農家への研修期間を終えて、2023年に念願の独立就農したんです。


栽培:田んぼを転作して新規就農



現在の柴田さんの栽培は、どんな感じですか?



40aのハウスで小松菜を4作、ほうれん草を2作栽培しています。
2haの畑では、スイートコーンとブロッコリーを栽培していて、
私たち夫婦と、パートさん4人で働いています。



永源寺地区は鈴鹿山脈から流れてくるきれいな水と、寒暖差がある地域です。
スイートコーンは甘さが出ますし、小松菜やほうれん草は葉が締まって味が良くなると考えています。



広い農地は少ないけど、水と寒暖差に特徴がある地域なんですね。
柴田さんの栽培のこだわりはありますか?



竹パウダーの堆肥と微生物資材で土づくりをして、有機質肥料100%で栽培しています。
元々は廃棄菌床や牛糞堆肥なども投入していましたが、試行錯誤の結果、現在の肥料体系に落ち着きました。



有機肥料100%なんですね。
栽培面では、苦労や失敗したことはありましたか?



やっぱり初年度の2023年は、ほうれん草栽培は大変でした。
田んぼからの転作なので、水はけを改善する必要があったのですが…。
即座に土質は変わりませんし、ほうれん草は水分や湿度が多いと蒸れて、病気が出やすくなるんですよ。



水はけ対策、田んぼからの転作だと、特に大変なイメージです。
柴田さんはどんな水はけ対策をされたのですか?



竹パウダーの堆肥に加えて、明渠やサブソイラーをかけました。
あとは水はけ対策として、10センチほどの畝にして栽培しています。
現在は改善の成果が出て、ほうれん草の収量は劇的に良くなりましたし、業者からも高い評価をいただいています。



畝立てした葉物野菜は、あまり見ないですね。
参考になりました。
あとは今後の栽培の課題などはありますか?



今後も農地は拡大していきたいですが、やはり土づくりが肝だと考えています。
借りていく農地は引き続き土づくりを継続して、しっかり評価される野菜を作りたいです。


販路:品目によって変える販路



現在の販路はどんな感じなんですか?



小松菜とほうれん草は「永源寺小松菜」「永源寺ほうれん草」と名付けて、仲卸業者に販売しています。
スイートコーンは全量個人で販売して、ブロッコリーはJAを通して京都市場に出荷していますね。



品目によって出荷先を分けているのですね。
それにしても、直販で大半を販売できるというのはすごいですね。
例えばスイートコーンは、直売所や道の駅で出品されているということですか?



そうですね。
滋賀県のブロッコリーは、京都市場で高く評価してくれるので、JAを通した市場へ。
周年で収穫する小松菜とほうれん草に関しては、業者との契約出荷をしています。



なるほど、それにしても、農園名で大半を販売できるというのはすごいですね。
スイートコーンは、直売所や道の駅で出品されているということですか?



いえ、道の駅での販売もありますが、ほとんどを病院や市役所で勤めている方に直接販売しています。
私の母が病院で働いていて、最初は部署ごとに注文を取りまとめてくれていて。
スイートコーンの味が甘くて美味しいと評判になって、大半のスイートコーンは事前に注文をいただいているんですよ。



部署ごとに注文が入るとは、それだけ美味しいということですか。
注文数まで確定できると、農家としても嬉しいですよね。


目標やアドバイス:若者が減る地域を盛り上げたい!



柴田さんの、今後の展望はありますか?



まずはしばた農園がしっかり稼ぐことで、永源寺地区の農業のモデルケースになりたいです。
田舎でも農業で稼げるとわかってもらえれば、地域の農業も盛り上げられると思うので!



永源寺地区は若者が都会に出て就職することが多く、若者が減っているんですよ。
だから田舎でも農業で生活が成り立つということを示して、若手の新規就農者を増やせたらと思っています。



農業の先に、地域のことも考えられているのですね。
応援しています。
最後に、就農に興味がある若者にアドバイスがあればお願いします。



新規就農者の唯一と言っていい特権は、就農先と作物を選べることだと思います。
だから就農する地域と作物は、よく考えた方がいいですね。
・その土地に合った作物か
・農地が確保しやすいか
などは、チェックした方がいいです。



取材させていただきありがとうございました!




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