兼業農家が多い地域で、専業農家として就農!中山間地域のJAネギ部会を引っ張る農業法人

記事の内容

広島県庄原市で新規就農

法人化して目指すのは、画一化したネギ栽培

部会長としてネギの販売を引っ張る

広島県庄原市の㈱仁井農園代表の仁井慎介(にい しんすけ)さんに、

就農した経緯やJA出荷のネギ栽培などについて伺いました!

目次

就農経緯:兼業農家が多い地域で、専業として新規就農

管理人

仁井さんはどんな子どもでしたか?

仁井さん

明るくて活発な田舎の子、でしたね。
私の地域は水稲+会社員という兼業農家が多く、実家も数反ほどの米を作っている兼業農家でしたが…。
専業農家はほとんどいなかったので、農家になろうとは考えてなかったですね。

管理人

兼業農家が多い地域だったんですね。

仁井さん

農業高校、そして農業の短期大学に進学しましたが、
「勉強ができるわけでもなく、工業系が得意でもないし…。」
という、当時は消去法で農業の勉強を選びました。
ただやっぱり、専業農家になるイメージは湧かなくて。
短大卒業後は地元の工場や大工など、仕事を転々としていました。

管理人

そんな仁井さんが、専業農家になろうと思ったきっかけはあったのですか?

仁井さん

色々な仕事をする中で、23歳の時にふと、
「代えが効かない、自分だけの仕事がしたい!」
と思ったんです。
自分だけの仕事といえば農業だと、2007年に本気で専業農家になろうと決めました。

管理人

専業農家になると決めた時の、周囲の声はどうでしたか?

仁井さん

特に周囲からも、反対されなかったですね。
父親に就農を相談した時、
「儂も早期退職して農業をする。退職金は貸してやるから、専従者として雇ってくれ。」
と言ってくれました。

管理人

父親も協力してくれたのは良かったですね。
ところで作物は、ネギが有力だったのですか?

仁井さん

そうですね、庄原市は全国では珍しい、冷涼な気候を活かした夏ネギの産地なんです。
JAの「ヒバゴンネギ」部会に出荷すれば利益は出るという、営農計画も立てられましたし。
だから実家が所有していた田んぼに、20aのハウスを建ててスタートしましたね。

管理人

農地は所有していた田んぼを利用したのですね。
しかし新たな作物を始めるとなると、ハウスなどの設備投資の資金とかはどうされたのですか?

仁井さん

父親の退職金を借りたのと当時の助成金、あとは自分の貯金を自己資金としました。
ビニールハウスに加えて、ネギの栽培で使う防除機や皮むき機を合わせて、1000万ほどでしたかね。

管理人

やはり、就農時にまとまったお金は必要なんですね。
サラリーマンと農家では、給与や働き方などが違うと思いますが、就農時に不安はありませんでしたか?

仁井さん

たしかに他の仕事と自営業の農家では、何もかも違いますね。
ただ就農の不安は、全くありませんでした。
というのも、今みたいにスマホで情報がたくさん出てくる時代ではなかったので。
専業農家も周りにいなかったですし、逆に情報過多にならなかったのが良かったかもしれません。

ハウスのヒバゴンネギ

就農経緯:規模拡大から法人化して挑むネギ栽培

管理人

就農してから、営農は順調でしたか?

仁井さん

いや、就農当初の営農計画通り40aほどまで規模拡大をしたのですが……、
父親が病気がちになり、一気に私の負担が増えて、手が回らなくなることもあったんです。
「1人いないだけで回らなくなる組織ではまずい!」
と気づき、より規模拡大をして雇用を増やし、法人化して栽培をしていくことにしたんです。

管理人

だから2023年に㈱仁井農園として、農業をしていくことになったのですね。
では、現在の栽培作物や労働力はどんな感じですか?

仁井さん

140aのハウスのヒバゴンネギと、300aの露地のネギを栽培しています。
5月から12月に雪が積もるまで、ハウスと露地を組み合わせて、ひたすらネギを収穫しています!
私を含む役員2名と正社員2名、アルバイト18名で作業をしていますね。

管理人

かなり規模拡大してきたのですね!
栽培面でのこだわりはありますか?

仁井さん

農薬を半分以下に抑える栽培をしています。
あとは、シーズン中はほぼ毎日収穫できるように、計画的な作付けや作業を意識しています。
昨年からGAPの仕組みも導入して、経験の浅い従業員でもできるようなマニュアル作成に取り組んでいますね。

管理人

GAPは認証を取るメリットより前に、仕組み化の手段として取り入れている農家は聞きますね!
あとは失敗談も伺いたいのですが…?

仁井さん

失敗は数えきれないほどありますよ…。
潅水や施肥、防除のタイミングなど、一通りの失敗は経験しました。
近年は猛暑やベト病で、ひと月分のネギを廃棄した年もありましたね。

管理人

そんな数々の失敗を、どのように乗り越えてきたのですか?

仁井さん

原因を追って、一つずつ改善していくしかなかったですね。
失敗するとネギの売上が落ちるのはもちろん、出荷調整の人手にも影響が出るので、小さな変化にも気を配っています。
猛暑対策としては、ハウスの遮光や、地温を下げる白マルチなどをしています。

露地のネギを収穫する従業員

販路:JAを通して市場や加工業者と交渉

管理人

現在の販路はどんな感じですか?

仁井さん

to Cはほぼなく、地元の飲食店や付き合いのある方に販売するくらいですね。
ほぼ全てのネギを、JAを通して市場や業者に卸しています。

管理人

ほとんどJAを通して販売されているのですね。
なぜJA以外に販売しようとされないのですか?

仁井さん

弊社は中山間地の僻地にあるので、販売のトラックを手配するのも高いんですよ。
それにJAなら事務作業の手間もありませんから、利益が最大になる出荷先だと考えています。

管理人

なるほど、直販が不利な地域なんですね。

仁井さん

それに現在は、私がヒバゴンネギ部会の部会長をしているんです。
部会を代表して、市場との契約出荷や、加工業者との契約を推進する立場ですね。
部会の中では私は若い方ですし、ネギの出荷量も弊社が部会全体の半分以上を占めていますから、
これからも私がヒバゴンネギ部会を引っ張って、販路も改善していきたいですね!

管理人

部会の中から、販路を改善!
そういう発想でJA出荷ができると、楽しそうですね。

目標やアドバイス:計画や経営の勉強は大切

管理人

仁井農園さんの今後の目標を教えてください。

仁井さん

実はまた、弊社は一段と規模拡大する段階に来ています。
仮に私がいなくなっても、企業として農業は回るような仕組みを作ることが、近い目標ですね。

管理人

まさに、地域を代表するネギ農家になる段階なのですね。
応援しています。
最後に、就農を目指す方にアドバイスがあればお願いします。

仁井さん

新規就農を目指すのであれば、まずは農業法人で社員やアルバイトを経験することをおすすめします。
全ての経費が上がり続けている現状、現場での作業を体感してからでも、独立は遅くないです。

仁井さん

あとは夢物語のような順風満帆な営農計画は立てずに、現実的な営農計画を立てましょう。
収量にしても価格にしても、楽観的な数字ではなく、厳しく見て計画を立てることです。
楽しい農業を辞めたくないという一心で、私も栽培や数字と向き合っています。
もし庄原市で就農を考えている方がいれば、私が相談に乗りますよ!

管理人

取材させていただき、ありがとうございました!

露地のネギ畑の風景
農家さんのリンク

こぼれ話:採用のためのHP

管理人

JA出荷している方で、HPまで持っている農園は少ないと思います。
どんな目的でHPを作られたのですか?

仁井さん

ズバリ採用のため、中山間地での人手の確保のためです。
ネギの出荷調整は手作業が多いですし、さらに規模拡大する計画もありますからね。

ネギの出荷調整の様子
仁井さん

HP経由で応募もありますし、農園の働きやすい雰囲気を伝えるためにも、HPを作って良かったと思っています。

管理人

なるほど、農家でもHPを持つメリットは色々あるのですね。

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